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初春を迎えるうれしさ、明けた目出度さ
区切りに言葉一つ惜しみ また逢えるしあわせの

年始の慌ただしさ終えての一息は
君の傍で呑む酒に 身を溶かす宵


霜降りにした男鯛を一塩で休ませる。

檸檬搾って ひねり胡麻かおる 清々しき初春の先ずは ひと口

  身しまった鯛、ちりちりとして

    新鮮な呑みを 今年も此処からと 君の笑み誘いて







旬の根深葱 高座豚に巻かれて炙る

三枚肉の脂ならではの焦げた匂いは

凍てつく月夜に、森の奥に見た獣臭さ彷彿とさせる。


そんな話も肴にしてと

   火傷しそうな 串ごと君の口もとに 運び 瞳の奥覗く 笑み








男達のロマンを偲ぶ紅白の源平に

塩鯖酢に〆て鱠に仕立てる。


酒の酔いを和らげる 酢をつかいながら

もっと酔わすと 君が笑う  心を改めて新春に




どことなくあか抜けの無い 温もりの鰤大根

今宵一番、君へと心こめて炊く。

大根のほろ苦さが 出世魚にまとわりついて

表舞台に立てぬ女 忘れてほしくはないなどと


  想い溢れた  郷愁の仕上がりの





  酒肴 つれづれ
  
  日々ままごと遊び  遊ばれもする


      筆先 思慕にふるえた書き初め



20060104133546.jpg



おめでとうと
弟のうれしき便り

寵愛のポテトサラダに恵比寿抜く 幸多かれと三日月が微笑んでいる。

  ありがとう







日本海に降り積む雪を思う、冷え込む宵も

足音に耳を澄ませながら厨に立つ 君を待つ。

仕事の酒など旨くはなくて

私の注ぐ酒一番と 言葉掛けがほしくなる 苦笑い


根深葱焦がして 真鱈南蛮酢に漬ける

  垂涎呼び出す奥の手つかふ





ヒジキ粗くきざむ

梅干し粗くきざむ

長ねぎ粗くきざむ

昆布茶忍ばせ、綿実油で揚げる。


かりかりと口中に噛みしめれば  

潮風の香 流れ来る

   合う酒は 濁酒の妖艶な酔い  月が嗤う待ちぼうけ










旨さは甘みの白菜を、大雑把にザクザクと切る。

糸昆布と鷹の爪で塩あさく漬け込む。

苛立つ宵の仕上がりは 爪の辛さが前面にでる可笑しさ







温もり想うその時に 優しい総菜拵えてみたくなる。

厚揚げに鶏挽いて射込み、鰹出汁に煮ふくめて

かたくりで煮汁からめ 角のない まあるい味。


私もまあるく君にからみたいと俯いて





深く酔うほどに

溢れる想いを抑えられずに

言葉にするまいと  酒を流して口を封じて。

妬心、悟られたくなく 強がってはみても

妬くこころの敗け 見透かされ恥じ入る穴蔵


弟の優しい気遣いが

うれしくて涙して 素直になろうと揺れを正す


  山牛蒡 味噌に漬けて芳醇かもす

   次ぐ満月の宵  森の奥に来よと...






夜毎の宴席に、逞しき身も壊れはせぬかと気遣い思い

冷え冷えと まあるい月 厨の窓から見上げて 

足音に耳を澄ます。


これ以上の酒は呑ませずにと

味の変化、愉しみの思案。


小烏賊と水菜をオリーブ油で和え 蜜柑の甘みと香り添える。

    風邪をひかせまいと濃い色さがして、小皿の彩り







夜道歩けば、冷え込みに酔いが覚める惑いの感

もう酒は止し温もりに酔いをもとめてほしい。


簡素な鍋に 小松菜の緑濃く 君を待つ宵 更けゆきて





待つことの長さを

知っている君が待たせる いぢの悪さ

茶碗酒あおるように呑み、ふうと溜め息をついてみれば


鶏肝串に刺し 焼き上がりに酒噴きかけて、のせた艶も

手つかずのまま干からびる 哀





待ちくたびれて 行きつ戻りつ厨の棚に

一握り残った蕎麦粉見つける。

まあるい瞳を思い浮かべて ままごと遊び始める 手弱女。


   たまごの気泡で膨らませれば  蕎麦ぼうろ



足音きこえ、引き戸開く音すれば小走りに

一つ つまんで君に駆けよる。

  何も言わせず阿吽の阿、私の指ごと舌に溶かして ほしくなる






君の無事は何よりの安堵

うれしさに気を取りなおして温かいもの拵える。


  上等の出汁ひいて おだまき蒸し

器に 細めのうどん紡いでまあるく巻く

かしわ、椎茸、ほうれん草を盛り付けて卵液をはる


   一つ器に逢えて蒸されて 幸せと呼ばずに何と呼ぶ





暦 師走となり、いよいよ冬型の気圧配置。

急な冷え込みが 芯を冷やす。

西に雪の報せきく宵の口は、部屋を暖め君を待つ。


取りあえずの麦酒より 先ずは濃いめの酒を舌に流して場面を変えて。


鋭角の二杯酢に生牡蠣泳がせ、

日本酒との混ざり具合に、呑み助の気力の目覚めを確かめる







一夜に干して 宗八鰈 火に炙る

独特の臭い立ちこめ、次ぎの美味に繋ぐ。


  身をむしれば 白い端麗の旨さ

  炙りたてを供したくて其の都度の厨に立つうれしさの舞







冷え込む宵は酒菜にも温もりの色つけの優しさ込める。


冬に向かう大根 鼈甲色にベッコウ煮

炒り子と味醂と濃口醤油だけの簡素な味付けが

鍋にことこと揺れながら 大根ほろ苦き郷愁の味に仕上がる。


懐かしさに浮かべる顔を思いながら

浅鉢に盛り付けて 笑みが零れ


  大根そのままに舌に溶け 日本酒に逢う至福の流れ





浅き酔いに微睡む時は

粥が煮えるまでの間  横になって、くつろいでほしい。


丁度食べ頃に、飴色づいた野沢菜を口幅にきざみ

ありあわせの献立への彩りは、赤蕪甘酢に漬けた妖艶の紅を添える。


  温もりなら 贅より気遣いと 

       卓にのせる直前に漬け物樽から上げるうれしさ







日の照る時も  吹雪く日も 苛烈な男の仕事は続く。

何も口出しなどは出来ないが、願い 祈る 想いはひとつ。


自愛を忘れて身体を壊さぬようにと

君の雄々しさを愛でるように、厨仕事ができる幸せの流れ秘めて

    与えてくれた君への感謝は 片時も忘れず姿勢よく






朝一番の厨仕事は 味噌汁の具の思案から

とれたての冬大根に包丁入れれば 濁音まじりに まな板 濡らす。

したたる瑞々しさが甘く香る。

合わせ味噌の配合に、白味噌の加減をみる気遣いの。


さわさわと揺れる音がして 大根葉は森をみるやう

大鍋に湯 滾らせて下茹でから始める。


湯の色に緑が移れば 丁度良い加減

まだ熱い緑のうねりに 菜切り包丁 音色奏でる愉しさで落とす。


少しの油つかいて 味噌よごしとし

ちりめんじゃこを一握り  拳のしたからパラパラ落とす。

鍋肌に日本酒廻しかけ 上がる蒸気に満足の味つけを窺う 笑み。









宵の冷え込み 温もりに包みたくて

ぬるめの燗酒と 違和のない肴を思案してみる。


取りあえずは、舌に溶かす旨味の即効を浮かべ

君の瞳も思い浮かべて  あんこう肝を棒状にする ガーゼに巻く

蒸し上げ 寝かせて 柳刃引けば

まあるい仕上がりに苦笑いして 重なる笑顔。


柑橘搾った 淡目のポン酢に  もみじおろしの 減り張りを添える。


大根に鷹の爪を射込みながら 敵討ち目論む  手弱女









拵えたポン酢に 濃い口醤油を足す  あかなまこ

塩をふり ヌメリとろうと やさしくこすれば  なまこ抗い石の硬さ

よしよしと水に流し 刃先の殺生に  弾け飛ぶ磯の香と このわた。


好みの小口にして

番茶ぶりにし 適宜の歯ごたえを選び、宵までポン酢でやすませる。







身が厚くなり甘みの増した 剣先烏賊は  上身にして細造り

あて塩にし 水気を取る。

生雲丹たたき 剣先と和えるは、今宵のなめもの


酒はゆっくりと

肴もゆっくりと

弟との丁々発止も ゆっくりとがよい。


胡座の膝に そっと手を置き 

    覗き込む まあるい瞳に 仄かな酔い映して  穏やかな流れの


 


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